送金先はどうやって追跡できる?ブロックチェーンの基礎知識
最終更新日: 2026年8月9日
「仮想通貨は匿名だから追跡できない」と思われがちですが、実際にはブロックチェーンの仕組み上、 送金の記録は誰でも確認できる形で公開されています。ここでは、なぜ送金先を調査できるのか、 基礎的な仕組みを解説します。
ブロックチェーンは「公開された台帳」
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型の台帳の上で管理されています。 この台帳には、いつ・どのアドレスから・どのアドレスへ・いくら送金されたかという記録が、 取引が発生するたびに追加され、後から書き換えることができません。そして、この記録は誰でも無料で閲覧できます。
トランザクションハッシュ(TXID)とは
1件1件の送金には「トランザクションハッシュ」(TXIDとも呼ばれる)という固有の文字列が割り振られます。 これは送金の「レシート番号」のようなもので、この番号を「ブロックエクスプローラー」と呼ばれる 無料の検索ツール(Etherscan、mempool.space等)に入力すると、送金元・送金先・金額・日時が誰でも確認できます。
被害に遭った際、ウォレットアプリや取引所の取引履歴からこのトランザクションハッシュを確認できます。 これが送金先追跡の出発点になります。
なぜ「追跡」ができるのか
詐欺師が指定した送金先アドレスも、ブロックチェーン上では他のアドレスと同様に扱われます。 そのアドレスが次にどこへ送金したか(あるいは何も動かしていないか)も、同じように公開情報として確認できます。 この「次の送金」を1件ずつたどっていくことで、資金がどのルートを通ったかを追跡できます。
資金は最終的に、取引所の入出金用アドレスに到達することが多くあります。 取引所は口座開設時に本人確認(KYC)を行っているため、捜査機関からの正式な照会があれば、 そのアドレスの持ち主(=出金した人物)の情報が特定できる可能性があります。 これが、送金経路の追跡が警察への被害届において意味を持つ理由です。
追跡できないケースもある
全ての送金経路が取引所まで追跡できるとは限りません。資金が長期間動かないまま留まっている場合や、 複数のチェーンをまたいで移動する場合など、途中で追跡が止まることもあります。 その場合でも、「どこまで判明したか」を正確に記録しておくことには意味があります。